ある時の事です、電話が鳴り出てみると、「妻が、公正証書の遺言書を作りたいと言っているので、お願いしたい」

小川:「承知いたしました、それでは、奥様にお目にかかって、遺言の内容について、打合せをさせて頂きます」

ご主人:「いま妻は、外国旅行に行っていて、しばらく戻らないと連絡があったので、私を代理人にすると言っている」

「妻は、夫の私が代理人で良いと言ってるのだから、委任状があれば良いだろう!!...印鑑証明だってとってある」

「だいたい、妻が旅行先に何かあったら、大変じゃないか!!、なんとかしろ...プロなんだから。」

小川:「恐縮ですが、あくまでも遺言者である奥様と打合せをさせて頂かない限り、ご依頼を受けすることは出来ません」

ご主人:「だったら、お前なんかに頼まない、ちゃんとやってくれる行政書士に頼むから、もういい」

...賢明な皆さんでしたらおわかりだと思いますが、遺言を他人に作ってもらうなんて事は出来ないのです。

頼む相手が、ご主人であっても同じ事です。

私は、遺言書作成のお手伝いを業務としていますが、遺言書ご本人の意思を確認して、それに基づいた遺言書原案を作成していますが、このご主人のように、例えば、私が遺言者の代理人となって遺言をする(意思表示をする)という事ではありませんので、念のため。