自筆証書遺言の場合、遺言書の保管者、遺言書を発見した相続人から、家庭裁判所に検認の申立てをしますが、遺言書の内容が、必ずしも申立人に有利な内容だとは言えない場合もあります。

たとえば、長男が遺言者から「遺言書をあずけるから、何かあったら、お前がしっかりやってほしい」とか言われて、遺言書の保管をしていたら、言われた長男は、当然自分に有利な内容の遺言だと思うのが普通です。

ところが、いざその時になり、家庭裁判所で自筆証書遺言書を開封したら、「自分の財産は、二男に相続させる」と書いてあったとしたら、長男が怒りしんとうするは当然です。

”こんな遺言書なんて、破いてしまえ”と、思うかもしれません。

実際に、破ってしまったら、どうなるのでしょうか?

民法・判例では、相続人となるべき者が、相続に関して不当な利益を得ることを目的として、相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿したものは、相続欠格事由にあたり、相続資格を奪うとしています。

感情的になったとはいえ、ひとときの感情に流されて、遺言書を破ったりすると、相続権が奪われてしまう場合がありますので、一呼吸おくことが必要です。

...遺留分までなくなっちゃったら、元も子もないですもんね!

...それにしても、長男に期待を持たせて、こんな遺言をした親って、罪ですよね!