ほんの少しの心遣い

 電話やメールで、相続手続きのご依頼を頂くと、数日後にお客様の都合の良い所や、ご自宅に伺います。

 あるご依頼で、死亡直後にご連絡を頂き、数回の打ち合わせの後、お客様のご自宅に伺うことになった時です。

 その様な業務で、午後から、お客様のご自宅に伺う予定である事を、家人に話しておいたところ、家人が、僅かばかりの果物を、そのお客様の所に持って行くようにと用意してありました。

 家人は、、「まだ、亡くなられて日が浅いのだったら、ご遺骨もご自宅にあるんでしょう!、だったら、ほんの僅かなものだけれども、仏様にと、持っていってあげなよ」と言うのです。

 私は、別に依頼書も頂いているし、今になって手土産を持って行っても?と、思ったのですが、家人の言うことを聞き、その果物を持参しました。

 最初、お客様はびっくりされたようでしたが、「それでは、せっかくですから」と、受け取ってくださり、ご遺骨の前に供えて下さいました。

 そして、打ち合わせも順調に進み、亡くなられた方との、それまでの様々な出来事などをお話しくださり、相続手続きも順調に進みました。

*****

 私は別に、手土産を持って行ったから、仕事が上手くいったという話を書いているのではありません。

 正直、仕事が重なると、お客様に対する気遣いが薄れる時があります。

 そんな時、私の姿を見て、お客様に対する心遣いを忘れているのでは?と、家人が「わずなものだけれども!」と言って、果物を持たせたのだろうと思います。

 相続の手続きというと、直ぐに法定相続がどうのこうのとかの話になりがちですが、それ以前の、深い悲しみや喪失感、身動きが出来なくなった心などを、忘れがちになります。

 そんな大切な事を忘れて仕事を進めようとしたとき、僅かな果物を持って、オイオイと注意してくれた家人、そして友人達がいる事に感謝しています。

 ...あれから、随分経つなぁ~と思っています。
 
[てるてる行政書士事務所]