遺言書関係のご相談で多いのが、子供のいない夫婦で、妻に財産を相続させたい場合です。

 子供、直系尊属がいない場合の法定相続人は、配偶者と被相続人の兄弟で、兄弟には遺留分がありませんから、配偶者に全財産を相続させようとするなら、その旨を記載した遺言書を作成することになります。

 このような場合は、少なくとも自筆証書遺言か、出来れば公正証書遺言を考えられた方が良いと思うのですが、なかなかその気になれないというのも解ります。

 しかし、遺言書がなければ、いくら自分の財産を配偶者に残したいと思っても、原則として配偶者と兄弟とで遺産分割協議をする事になり、なかなか協議が整わない場合も考えられます。

 実際の話として、公正証書遺言作成の準備の為に、念のため自筆証書遺言書を作成しておいて、その直後に死亡してしまった事例で、念のための自筆証書遺言があったおかげで、配偶者の生活を守れたという事も聞いています。

 別に、兄弟が悪人って訳ではないのですが、自分の意思を通そうとするなら、決められた方法でちゃんと書面にしないと、後の祭りになってしまうという事です。

[てるてる行政書士事務所]