公証人から遺言公正証書の正本・謄本と言われた書類を見ると、遺言者や証人2名の自筆の署名や印影がない事に気がつきます。

 遺言公正証書の原本には、遺言者や証人2名・公証人が自筆でサインし、実印や認め印・職印を押しましたが、この原本は、以後遺言者が120歳程度になるまで、門外不出となって、公証役場に保管されます。

 遺言公正証書の原本は、公証役場に保管される訳ですから、私たちが目にしたり手続きに利用するのは、原本のコピーである、正本とか謄本と呼ばれるものです。

 ...で、この正本とか謄本には、遺言者・証人2名・公証人の署名も押印もなく、予めワープロなどで印刷された氏名と印鑑を示す記号が印刷されているのみです。

 その代わり、一番最後の所に、公証人が正本であるかと謄本であるとかの記載をし、その箇所に公証人が署名押印しています。

 結局、もし何かの時に、遺言公正証書として見せられたものに、遺言者や証人、公証人の自筆での署名押印とかがあった場合は、それは本物かどうか疑わしいという事になりますので、注意が必要になります。

[てるてる行政書士事務所]