少し前から、自筆証書遺言の文中に、”葬儀は、しないで欲しい”とか、”葬儀は簡単に”などという文言を、見ることが多くなりました。

 葬式や法要について、遺言書に記載しても、附言事項として法律上の効果は保証されていませんが、合理的な理由とともに記載することで、遺族より尊重される場合もあると思います。

 実際の自筆証書遺言を読ませて頂くと、遺言書中の特定の箇所の文言がどうかよりも、全体の雰囲気というか、流れのなかに、ご自身からご家族・ご遺族への心遣いを、強く感じることがあります。

 遺言書を書かれたご本人に代わって、私が代読させていただく時があります。

 私自身、朗読などの特別な訓練を受けたわけではありませんが、ふと相手の方をみると、涙されていることもあります。

 ご自分の手で、遺言書を書かれた訳ですから、そこにいくまでには、それこそ大変な想いがあるわけで、決して上手でない、私の代読を聞いて、それまでの様々な出来事や、いくつもの想いがよみがえってきているのかも知れません。

 遺言書、その行間には、見えない文字が詰まっているものだと、思います。

 そんな、文字を、大切にしたいですね。

[遺言相続.jp てるてる行政書士事務所]