よくある質問のひとつに「相続手続きは、自分で出来ますか?」ってのがあります。

 以前にも書きましたが、「その方その方によってですし、そのケースごとに違うので、何とも言えません」と、お答えしています。

 例えば、被相続人が昭和30年代生まれで、相続人が妻・成人で未婚の子供一人、相続人間の争い無し、相続財産が銀行預金一口とかの”名義変更だけを考える”のであれば、特別の場合を除き、戸籍収集もそれほど多くなく、時間をかければご自分だけで可能な様にも思えます。

 実務に近い形で、定番の郵便局、複数銀行に複数口座、投信信託に株式に国債、自宅以外に複数箇所の不動産などとなると、相続財産の調査確認だけでも大変な手間がかかり、様々な書籍で勉強しながら、いやになるほど多くの書類を集め、それに署名押印をし、名義変更の書類を提出するだけで一カ所で何時間も待つことになると、途中でギブアップされる方がいらっしゃるかも知れません。

 それでも、相続人間の関係が良好であれば良いのですが、よくある兄弟間の相続や、子供のいない夫婦の場合など、関係する人数が相当に増えたり、相続人間での調整に手間取ったりと、難易度が相当に高くなってきますから大変です。

 また、郵便局や銀行での待ち時間に、ご自分で相続手続きをされている方が、やれ戸籍が足りないだとか、通帳がなかったために相続手続きが抜けてしまったなど言われているのを見かけますが、相続手続きの難易度とは関係なく、不慣れからくるものです。

 この様に、ケースバイケースで、ご自分で出来るかどうか?というのは、なんとも言えないというのが本当の所だと思います。

[てるてる行政書士事務所]