先日読了した、「感動を与えて逝った12人の物語」の中に、”感謝”だとか”幸せ”という言葉が頻繁に出て来ます。
私のメイン業務である遺言書や相続は、医師ほど生死の現場に近くいる訳ではありませんが、これから逝かれる方、送られた方がご依頼者となるわけで、様々な場面に立ち会うことになります。
最近は、遺言書の作成と同時に、尊厳死宣言公正証書の作成をされる方もいらっしゃいます。
尊厳死宣言については、様々な意見があることは承知していますが、私は依頼者から作成手続きのご依頼を頂いた場合は、依頼者のご意志を尊重するという考えから、なるべくお受けする様にしています。
この尊厳死宣言、一定の定型文はありますが、なぜ尊厳死宣言をするのか?、残された方達へのメッセージなど、ご依頼者の気持ちの部分を書面に表すには、結構大変というか、私の方も精神的につらいと感じる時があります。
例えば、「私は、こんなに長く生きることが出来ました、今日まで生きてこられた事だけで、感謝なんです。ですから、たくさんの管につながれてまで、生かされるのは嫌なんです」...とか。(これは、私の作文ですから、念のため!)
先にも書きましたが、ここでも”感謝”という言葉が、何度も出てきます。
ご依頼者の話を聞き、その意図する所を文書にし、それをご依頼者に確認したりしながら、文書を完成させます。
私は、完成した文書を確認のために読むときは、なるべく淡々と読むようにしていますが、毅然とした態度の方もいらっしゃれば、その予想される光景が目に浮かぶのか、涙ぐまれる方もいらっしゃいます。
人間の死を前提とした文書(書類)の作成、そんなに軽い仕事ではないなと肝に銘じる時でもあります。
...それと、甘くはないよな!って。